冷え・むくみ– cold-swelling –

冷え・むくみ(浮腫)の治療について

冷えやむくみは、他の症状と併発して現れる症状でお悩みの方も多いです。ライフスタイルによって、様々な原因が考えられるので、自分がどのタイプなのかを見極めることが重要です。こちらではそもそもなぜむくみが出るのか?その原因が何なのかを解説しております。

むくみ(浮腫)とは?

人間の身体の6部くらいは水でできていると言われていますが、約60兆個ある細胞の中や、細胞と細胞の間(組織間隙)、血液やリンパ液の中にもたくさんの水分が存在し、その間を互いに循環しています。 むくみ(浮腫)とは、この循環が滞り、組織間液と呼ばれる水が皮下組織に、異常に増加した状態のことです。 本来、食べ物や飲み物から摂取した水分は、血液中に取り込まれ全身へ運ばれます。 そして、毛細血管から出て、細胞間隙を満たしている細胞間液を介し、細胞へ酸素や栄養を運びます。同時に細胞などから出た古い水分(老廃物)を受け取り、ほとんどは毛細血管から静脈へ戻ります。静脈に戻らなかった水分はリンパ管で回収され、リンパ管を通り静脈へと戻されます。最後はすべてでろ過され、必要なものは再利用され、不要なものは尿となって身体の外へ排泄されます。この循環が滞ってしまうと体内に水分がたまり、身体がむくみます。

また、ふくらはぎの筋肉が収縮することでポンプ的な働きをして静脈のスムーズな流れを作っているのですがふくらはぎを動かさないことで静脈の流れが滞り、むくみやすくなってしまうのです。 むくみが発症しているときは、体重の5~10%以上の水分がたまっている状態です。 また、まだ目に見えでむくみが発症していなくても、皮下組織に水分がたまり始めることにより、体重はしっかりと増加しています。 血液は40秒で全身を一周、リンパは流れるまで12時間もかかると言われていますので今出ているむくみは、半日前の状態が出ていると考えるのが大切です。

山崎先生

ふくらはぎは、下半身の血液を心臓に押し戻すポンプ作用があることから「第2の心臓」と言われています。そのポンプ作用となる筋肉の働きは、乳搾りのようであることから「ミルキングアクション」と呼ばれています。ふくらはぎをケアして、「ミルキングアクション」を促すことは、全身の血行改善や健康維持にも役立つと言われています。

むくみの原因はさまざま

立ちっぱなし・座りっぱなしによるむくみ

ふくらはぎにある筋肉が収縮していくことで、血液であったり、リンパ夜などがスムーズに全身を流れていき、それによって余分な水分であったり老廃物などを排出してくれます。 しかし長時間の立ち仕事はその疲労によってふくらはぎにある筋肉がどんどん硬直してしまい、それによりポンプ機能は非常に弱くなってしまいます。 反対に、座ったままの状態でいると、ふくらはぎの筋肉はまったく刺激されることがありません。 筋肉が収縮していないと、ポンプ機能もその分休んでしまっているので、徐々に足の先から水分が皮下細胞に溜まっていってしまいます。 心臓から一番遠い足は、地球の重力によって下へ下へと水分が溜まりやすくなってしまいます。 加えて、ずっと座っているという状態では足の付け根にあるようなリンパの流れを、せきとめてしまうのでそれによって流れが悪くなります。

冷えによるむくみ

水分というのは、外気の温度に影響を受けやすいため、冷えやすくなってしまい、足元が冷えやすいと血流が悪くなり水分の排泄力が低下します。 むくみと冷えはどちらも同時に起こりやすく、またお互いがそれぞれの症状の原因となりやすいと言えます。

寝不足によるむくみ

寝ている状態というのは立っているときに比べ、顔にかかる重力が弱くなるので、リンパが流れやすい状軽になっています。そのため睡眠時間が短いと、体全体の疲れがとれないだけでなく、リンパの沸りが正常に流れる時間が足りず、むくみがなかなかとれない状態を引き起こします。

塩分の摂りすぎによるむくみ

塩分をたくさん摂取すると、体内のナトリウム濃度が高くなり、それを薄めようとして、体内に水分を補給します。このようなナトリウムの摂りすぎでむくみが引き起こされる場合があります。一般的に望ましいとされる1日の摂取量として、男性が1日9g未満、女性は1日7.5g未満です。しかし外食を中心とした食事を摂っていると、12g程度の塩分摂取量となってしまい、むくみの原因となりやすくなります。

女性ホルモン変動によるむくみ

女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)がありますが、黄体ホルモン(プロゲステロン)は排卵後から分泌が盛んになります。この時期を黄体期といい、基礎体温では高温期にあたります。この黄体期に一般的にむくみが生じやすくなります。というのも、黄体期は妊娠に備えて体内に栄養と水分を蓄えようとする時期だからです。血液量を増やして、全身に血液が行き届くようにするのです。その結果、体内に余分な水分がしみ出してむくみが生じやすくなるのです。

冷え・むくみを改善するポイント

むくみを解消するために生活習慣の改善や、簡単なエクササイズを行うことはもちろんですが、脚全体を支えている距骨も重要な役割を持っています。

距骨は脚全体を支えている骨ですので、足首からバランスのとれた姿勢でないと、下半身をうまく支えることができず、老廃物の流れが鈍くなり、むくみに繋がるといわれています。女性は特にヒールを履くことが多いため、足首のバランスがとれていない場合が多いと言われています。

まずは土台を整えてリンパを流しやすい状態を作ることが大切です。